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TAKURO WEB INTERVIEW

TAKURO WEBオリジナル インタビューは、前回に続き函館ライブ、そしてニューシングルの最新情報!
        

――迎えた2日目はGLAY史上初雨の野外ライブに。

TAKURO
20年近くやってきたGLAYが今後さらに20年頑張るためには、どこかでこういう状況を引き受けなきゃいけないものだと思ってたんだけど。ただ、実際に雨の中でのギターってどれくらい弾きづらいもんなのかわかんなかったから調整は必要だったね。力加減、ギターを弾いて耳にかえってくるまでのレスポンス…ほんのわずかな違いでも、心の中で負荷になっちゃうから。だから最初の2、3曲ぐらいで調整に入りつつ、ある程度慣れたらそこからはエンジン全開ですよ。いつもの音が出ないから不安になったりする瞬間もあったけど、それでプレイに集中できたところもあるし。後で録ったのを全部聴いたんだけど、心技体熱のこもったいい演奏だったと思う。

――TAKUROさんが屋根のある場所からあえて雨の中に出て行った瞬間に感動しました。

TAKURO
…なんか悪くてね(笑)。いろんな人達が来てくれてる中、こっちは屋根ばっかり。そんな失礼な、そういう教育は久保家はしねえなって思ったわけですよ。広石先生も言ってたわけですよ(笑)。(※UP-BEAT、1990年の台風の日比谷野外音楽堂ライブでボーカル・広石武彦がずぶ濡れのファンの前で自らバケツの水を被った)で、最後にSEIさんとNagai(Toshi)さんがJIROに水をぶっかけられるという(笑)…おまえらも濡れろって。それはどうかと思うけど(笑)。あとは、早く慣れておかなきゃいけないっていう思いもあったからね…クライマックスで100%を出すためにも。

――2日間が終わって一番最初に思った事は?

TAKURO
ほっとしたのもあるけど、こういうバンドの再生物語ってあるんだなって思った。今の日本では、サッカー、野球、アーティストのコンサートとか2万5000人規模のイベントってたくさん行われてるし、俺たちも20万人ライブや色々とやってきたけど、あの2万5000人×2日の5万人は全く意味が違う。一人一人の熱量がまるで違うから。俺たちは毎年ツアーをやってるけど、そんな気持ちでやってたかな? 日本全国どの都市であれ会場であれ、ライブをやるってそういう事なんだって。街に行ってそこにいるファンの人達といい時間を過ごす、それも素晴らしいと思ってたけど、そうか、工夫次第なんだと。今年のTAKUROさんの座右の銘は「ひと手間かける」なんだけど、まさにひと手間かけることで、いろんな物語が生まれるんだって。帰りの飛行機で偶然何十年ぶりの誰かに会ったとか、チェックインの時に大変だったとか…来た人、関わった人みんなに刻まれた思い出や、大変さ、美しさがあったはずだし。函館市民にとっての2013年7月27、28日の思い出が「家の前に車がいっぱい停まって迷惑だった」でも「お客さんがいっぱい来て嬉しい悲鳴だった」でもよくて、俺がいう音楽の可能性の一つは示せたと思う。世の中は変わらなかったかもしれないけど、俺の知ってるおばさんの食堂の売り上げは5倍になった(笑)。「感動した」とか「生きる元気もらった」っていう抽象的な事だけじゃなくて、そういう物語も生まれたっていう事が嬉しい。

――ライブ会場いた人もいない人にも何かが残った、っていう事ですね。そんな夏を過ぎたGLAYは楽曲制作に入っているそうですが…。

TAKURO
デビューして20年近くになりますが、今年初めて"作曲期間"というものをいただきました! 今まで、事務所は"作曲期間"とは言ってたんだけど、それはただの休みで、休み明けにレコーディングに入るっていうだけ。じゃあ俺は休めないじゃねぇかよって(笑)。「休みと作曲期間は別なんだ」って20年言い続けて、今回ようやく8月は休み、9月から作曲期間になった(笑)。だから休み期間は絶対仕事やらねぇぞって思ってたんだけど、頼まれた仕事がいくつかあって、それらをのんびりやりながら、ギターの練習などを…。

――具体的なリリースの予定は決まっているんですか?

TAKURO
11月27日に「CRAZY DANCE」をシングルとして出します(笑)。あと、佐久間(正英)さんと一緒に作ってた曲で、いいタイミングがあったら出そうって2年ぐらいおいてある曲があって。2013年の今、佐久間プロデュースサウンドで日本中に響かせたい、届けたいって思ったんだよね。大病に向き合っている佐久間さんにとっても何か励みになってくれればと思って。「DARK RIVER」のようにトリプルAサイドで、3曲目は「CRAZY DANCE」みたいな(笑)。その曲たちをリリースすべく調整しているところ。アルバムの準備も始めてます。

――現時点ではどんな感じになりそうですか?

TAKURO
函館のライブで自分のルーツを猛烈に感じて、やっぱり「ミュージシャンはルーツなくして音楽は作れない」って思って、ギターリフばっかり作ってる。詩とかメロディじゃなく、ただただリフを作って録音して、そこから曲としてひろげていこうかなって。まだ曲作りとはいえない、ギターいじってるだけなんだけど。最近、ブルースロックみたいなのが好きで、ああいう音楽ってメロディ重視じゃないなって。メロディ重視なのは今までたくさん書いたし。今のシングルって表題曲の他2曲、みたいになってて、昔のシングルの体をなしてないよね。これまで書いてきたカップリング曲の中に自分でも気に入ってるのがたくさんあるんだけど、何周年記念ライブ、とかでは有名曲や人気曲が多くなるから、そういう曲になかなか日の目が当たらない。有名ではないけどライブで爆発するような曲がいいかなってことで、今はリフばっかり作ってる。函館でもやった「ACID HEAD」とか、初めての人も多かったからみんなが知ってる曲ではないだろうけど、それを超えた何かがあるなぁと感じて。だから、ギター市民権を復活させたい、というか、ギターアルバムを作りたいなって思ってます。頑張ります。

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