HISASHI WEBインタビュー(Vol.49 )
Vol.49 HISASHI WEBインタビュー
5月25日発売のニューシングル収録のHISASHI曲「微熱Ⓐgirlサマー」を本人が徹底解説!
WEBインタビュー史上最多の注釈付きでお届けします。
――まずは近況からお訊きします。東京ドーム公演のリハーサル真っ只中ですが、HISASHIさんご自身の現在のテンション、また、スタジオの空気感はいかがですか?
HISASHI:芸能三面記事の話題から始まり、うわさ話と悪口で場が温まったところでミーティングが始まります。(もちろんTwitterしながら参加)。大きなライブなので色々段取りが决まっていきます。その後は衣装の打ち合わせなどがあり、終わったメンバーからスタジオに降りていく、みたいな感じですね。空気感は若干湿度が高く暑いです。
――5月25日(※1)にリリースされるアニバーサリーシングルのうち、「微熱Ⓐgirlサマー」(※2)はHISASHIさん作詞・作曲による、歯切れの良いスカ・ナンバー。いつ頃・どんな状況下で生まれて来た曲なのですか?
HISASHI:「HEROES」(※3)のレコーディング中にGLAY内で"夏っぽい曲"のコンペティションがあったので、既存曲としてあったこの曲、仮タイトル「HISA-SKA」をプリプロ、レコーディングしました。
雰囲気的にオレンジ・カウンティ(※4)で鳴っているようなカラッとしたスカパンクをイメージしました。The Offspring(※5)の「what happened to you」のような脱力感+宮藤官九郎(※6)脚本のドラマ『ごめんね青春!』(※7)をミックスして出来上がりました。
テーマは"曲で遊ぼう!"。言葉の遊びも音も全て弾ける夏のせい、みたいな揮発性ドライ感、アサヒスーパードライ感、福山雅治さんのワイシャツの上にライダースドライ感とか出せたら夏曲克服!出来るかな? と思ってね。
まずは、仮歌詞からスタメン入りのFPM(Fantastic Plastic Machine)(※8)田中さんの起用ですね。もうそこはどうしてもFPMじゃないといけなかったんですね。DMMでもNHKでもKKKでもなくFPMなんです! もう、ガチ勢というかFIXでプリントアウトして思ったのが、"田中さん、なんか音入れてくれないかな・・"と、急にFPMサウンド無しでは語れなくなってしまいました。
即オファーからの田中さんエクストリーム快諾で、もう勢いしか無いよね〜♪ なんてあの頃は浮かれていましたね。世界の田中さん!ありがとうございました♪
そして浜田麻里(※9)さんの「Return to myself」からのMIKU STOMP(※10)の発音! 昭和から最近の機材まで色々遊び要素を加えました。スキトキメキトキスは「さすがの猿飛」(※11)のOP「恋の呪文はスキトキメキトキス」ですからね、ほとんどビョーキ!!
――ドラマーとして、ねごと(※12)の澤村小夜子さんがゲスト参加されていますね。以前から注目なさっていて、ライブにも行かれていたと記憶しています。小夜子さんを招いた理由と経緯、実際にプレイしてもらってどうだったか?など、コラボレーションの詳細をお聞かせください。
HISASHI:最近のガールズ・バンドは凄い! 上手い! 「ねごと」はNAVERまとめで新しいバンドを探してた時に動画で観たんだけど、とにかく良かった。良い曲の世界観と、メンバーの個性も際立っていて、ファンになりました。特に澤村小夜子さんのドラムがエモーショナルでカッコ良い! これはすぐにLIVEに行かないと♪ と思い、観せて頂いたのが始まりです。それからTwitterでお互い情報を共有するようになり、六本木EX THEATER(※13)で観た時の、ライブバンドへ成長した彼女たちの演奏を聴いて、「一緒に出来ないだろうか?」と思いました。とにかく良かったです(ちなみに偶然隣に座っていたのが、プロデューサー亀田さん!(※14))。ツアー前のリハーサル中にも関わらず快諾して頂き、ありがたく思っています。
レコーディング中はとにかくGLAY畑に花が咲きました♪ リズムのバリエーションはもちろんですが、曲の歌詞まで理解した上でのフレーズも活かしてくれました。安定したリズムから高速フィルまで、非常に格好良いテイクが録れて満足です。
――歌詞は、HISASHIさんのリアルな青春の心象風景を織り交ぜて綴られているのでは?と感じ、その点で、「MUSIC LIFE」(※15)にも通じるように思いました。懐かしいフレーズがいくつかオマージュ的に忍び込んでいるのも楽しいですが、20周年イヤーが終盤に向かう"今"というタイミングと、ご自身の音楽活動のスタート地点を振り返ること……それらがリンクしている部分もあるのでしょうか?
HISASHI:自分の曲でいうと「1988」(※16)から「黒く塗れ!」(※17)まで割と鋭角な表現が多かったと思います。「Synchronicity」(※18)や「everKrack」(※19)のような厨二ソング(※20)もありましたけど、今回は夏の瞬間的キラメキを意識しましたね。今思うと全てが刺激的に見えた日々、学校とバンドと友達と恋愛に必死だった頃を切り取るような内容にしました。
――ご多忙にも関わらず、ライブに足を運ばれたり、深夜(早朝??)に及ぶギタリスト会に参加されたり、『ニコニコ超会議』(※21)への出張企画『超RX-72 ~HISASHI:(GLAY) VS 茂木淳一 ~(※22)』を敢行されたりと、実にアクティブなHISASHIさん。好奇心旺盛というだけでなく、『TAKURO MOBILE MEETING(※23)』でTAKUROさんが指摘されていたように、"GLAYイチの社交家"として、使命感のようなものもあるのでしょうか?
HISASHI:RX-72に関しては、今回の歌詞にありましたが"溢れ出る興味に惹かれ"という言葉に全てが集約されています。音楽から始まり様々な日本文化、今世界的に発信されていることの最先端に触れ二人で面白可笑しく広げていくというスタイル、やっぱり基本楽しくないと続かないですからね。分かり易く楽しい30分になれば良いな〜? と思い続けています。最近BUZZっているネタもRXのフィルターを通すと若干和らいだり、意外と簡単に見えたりとか。突発的なスタジオでのレコーディングやXスポーツに挑戦したり、大阪ロケなんかの回もスタッフと談笑しながら決まっていきます。派生するDVD発売イベントや番組本(※24)なども積極的にデザインから考えています。今回『ニコニコ超会議』に出たこともスタンスは近いですね。ただ僕は非常に内向的な性格なので、必死に他者とのコミュニケーションを取ろうとしている様が社交的に見えたのでしょうか?? だとしたら誤解ですね。なるべくだったら適温に設定された自室で延々インターネットに興じたい次第で御座います。
――再び、5月30日・31日の東京ドーム公演にテーマを戻します。2月の取材時には、"白いジャケットの扱い"に特化した演出案・意気込み(※25)を語ってくださいましたが(笑)、公演日が間近に迫った現在、ロックバンドとして、また、エンターテインメントの創造主として、どんなステージにしたいとお考えですか?
HISASHI:この10年で色々な事が変わりました。お客さん達の音楽への関わり方やテクノロジーの進化。CPUや半導体の進化により、より速くより小さく大量の情報を!というクラウド化社会。そこにある真価はやはり、リアルなライブなんですよね。去年のEXPO発表の時も言いましたが、その「変わらないGLAY」を今のスタイルでお届けすることが第一ですね。勿論丁寧に引いた伏線の回収やシリーズ物の扱いは大切に作っております。とはいえ結局GLAYの持つパフォーマンスをしっかり演ることが全ての根底にありますね。この10年で培ったものを精査し、ソリッドなコンサートになると思います。
――HISASHIさんはよく「5分後のスケジュールしか知らない」と冗談をおっしゃいますが……ファンの皆さんに向けて、"7 BIG SURPRISES"(※26)コンプリート後の"未来のヒント"をもし示していただけるのであれば、お願いします。
HISASHI:お待たせしました、ようやくトランプのカードを切る時がきました! 詳細決まり次第お伝えします♪ お楽しみに!
※1:5月25日
1994年のこの日GLAYはデビュー。今年はこのインタビューのメインの話題でもあるシングル「HEROES/微熱(A)girlサマー/つづれ織り~so far and yet so close~」がリリースされる他、ZEPP TOKYOにて東京ドーム公演の前夜祭ライブが開催される
※2:微熱(A)girlサマー
5月25日発売のニューシングル「HEROES/微熱(A)girlサマー/つづれ織り~so far and yet so close~」に収録。
最新情報はこちら(試聴もスタート)
※3:HEROES
5月25日発売のニューシングル「HEROES/微熱(A)girlサマー/つづれ織り~so far and yet so close~」に収録されているTERU作詞・作曲のナンバー。前シングル「疾走れ!ミライ」につづいてテレビ東京系アニメ「ダイヤのA」(毎週月曜18:00~他)のオープニングテーマとしてオンエア中。
試聴はこちらから
※4:オレンジ・カウンティ(オレンジ郡)
アメリカ合衆国カリフォルニア州南部の郡。ディズニーランドがあることで有名な観光地。
※5:The Offspring
1984年に結成された、アメリカ合衆国カリフォルニア州オレンジ郡出身のパンクロックバンド。HISASHIのフェイバリットバンドの一つ。2005年のインテックス大阪ライブで「HIT THAT」をカバー、また「THE MEANING OF LIFE」のカバーが40th Single「SAY YOUR DREAM」に収録されている。
※6:宮藤官九郎
大ヒットドラマ「あまちゃん」を手がけた脚本家。劇団大人計画所属。俳優としても活躍しておりGLAYが主題歌(「鼓動」)を務めた「大帝の剣」にも出演。綾小路翔(氣志團)主演のミュージカル「高校中パニック!小激突!!」では脚本と演出を担当。観劇したHISASHIもいたく感激していた模様。
※7:「ごめんね青春!」
2014年10月から12月にかけてTBS系日曜21時の枠で放送された宮藤官九郎氏脚本、錦戸亮氏主演のテレビドラマ。宮藤氏初の学園もので細かいネタが多用されているのが特徴。視聴率的には振るわなかったが、「第83回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」脚本賞と助演女優賞(満島ひかり)、2014年「ギャラクシー賞テレビ部門12月度月間賞」を受賞するなど作品そのものの評価は高く、そもそもこの枠は「半沢直樹」「ルーズベルトゲーム」など企業ドラマが続いていたので放送時間帯が違ったのでは?という声も多い。
※8:FPM(Fantastic Plastic Machine)
音楽プロデューサー、リミキサー、DJとして活動する田中知之のソロプロジェクト。FPMが正式名称。
田中氏目線の参加の経緯は自身がFPMのFacebookにて語られている(4月24日)。
※9:浜田麻里
1983年にデビューした女性ロックヴォーカリスト。ジャンルはハードロック。このジャンルでは異例の売れ行きを示していた。代表曲は「Heart and Soul」「Return to Myself 〜しない、しない、ナツ。」など。
※10:MIKU STOMP
ギターを弾くとその音に合わせて初音ミクが歌うというKORGが開発したエフェクター。巷ではHISASHIのために開発されたのでは?という噂も?
※11:さすがの猿飛
1982年10月17日から1984年3月11日まで全69話が放送されたTVアニメ(原作は細野不二彦。増刊少年サンデー連載)。学園忍者アクションラブコメディという不可思議なジャンルで、一部ではカルト的な人気を誇っている。
※12:ねごと
2010年にメジャーデビューした4ピースガールズバンド。ドラムの澤村小夜子はオリジナルメンバーの一人。3rdアルバム「VISION」が2015年3月4日にリリースされた。
※13:六本木EX THEATER
テレビ朝日が運営する六本木にあるライブハウス。GLAYは2013年12月2日にこけら落としライブシリーズの第2弾アーティストとして出演、2014年11月4日にはアルバム『MUSIC LIFE』の試聴会を開催している
※14:プロデューサー亀田さん:
日本のミュージシャン、音楽プロデューサー、ベーシスト。バンド・東京事変の元メンバー。数多くのミュージシャン/アーティストのプロデュース、編曲、楽曲提供を手がけている。GLAYは2006年の夢人島FESでプロデュースをオファー、2013年7月24日発売の「DARK RIVER」で実現した。最新シングルも亀田氏プロデュースである。
※15:13thアルバム「MUSIC LIFE」
2014年11月5日発売
好評発売中
詳しくはコチラ
※16:1988
『THE GREAT VACATION VOL.2 ~SUPER BEST OF GLAY~』収録
2009年10月21日発売
詳しくはコチラ
※17:黒く塗れ
50th Single「BLEEZE ~G4・III~」収録
2014年7月9日発売
詳しくはコチラ
※18:Synchronicity
『THE GREAT VACATION VOL.1 ~SUPER BEST OF GLAY~』収録
2009年6月10日発売
詳しくはコチラ
※19:everKrack
『G4・II -THE RED MOON-』収録
2010年10月5日発売
詳しくはコチラ
※20:厨ニ
「中学2年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動」を自虐する語として伊集院光氏がラジオで提唱していた「中二病」という用語が転じて、思春期にありがちな自己愛に満ちた空想や嗜好などを揶揄した言葉として「厨」の字を当てられネットスラング化したもの。
※21:ニコニコ超会議
ニコニコ動画関連新機能等の発表会を含めたニコニコユーザー向け総合イベント。2015年のニコニコ超会議は15万人を動員
※22:「RX-72 ~HISASHI(GLAY) VS 茂木淳一」
MUSIC ON! TVでオンエアしているHISASHIのレギュラーTV番組。2009年1月25日より放送開始。現在の放送時間は毎月第3月曜 23:30~24:00(初回放送)他
番組WEB SITEはこちら
※23:TAKURO MOBILE MEETING
公式携帯サイトGLAY MOBILEで配信しているTAKUROレギュラーWEB RADIO。毎週日曜18時更新。
詳しくははこちら
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※24:番組本
番組での発言や、取り上げたモノを百科事典方式で解説した書籍が7月2日に発売!
詳しくはコチラ
「アール・エックス 72 百科事典」(通常版)
■発売日:2015年7月2日(木)
■価格:¥3,000(税込み)+送料
■仕様:A5変形判(DVDと同サイズ)、256ページ、並製
*仕様は変更になる場合がございます。予めご了承ください。
■発行・発売:エムオン・エンタテインメント
*ソフビフィギュア付の「完全受注生産限定版」の受付は終了しました
※25:"白いジャケットの扱い"に特化した演出案・意気込み
前回のHISASHI WEBインタビューを参照
※26:7 BIG SURPRISES
2012年7月に開催された「GLAY STADIUM LIVE 2012 THE SUITE ROOM in OSAKA NAGAI STADIUM」2日目に発表された12年7月以降のGLAYの活動予定一覧。
2015年5月30日(土)&31日(日)東京ドーム公演開催でコンプリートとなる。
5月25日発売のニューシングル収録のHISASHI曲「微熱Ⓐgirlサマー」を本人が徹底解説!
WEBインタビュー史上最多の注釈付きでお届けします。
――まずは近況からお訊きします。東京ドーム公演のリハーサル真っ只中ですが、HISASHIさんご自身の現在のテンション、また、スタジオの空気感はいかがですか?
HISASHI:芸能三面記事の話題から始まり、うわさ話と悪口で場が温まったところでミーティングが始まります。(もちろんTwitterしながら参加)。大きなライブなので色々段取りが决まっていきます。その後は衣装の打ち合わせなどがあり、終わったメンバーからスタジオに降りていく、みたいな感じですね。空気感は若干湿度が高く暑いです。
――5月25日(※1)にリリースされるアニバーサリーシングルのうち、「微熱Ⓐgirlサマー」(※2)はHISASHIさん作詞・作曲による、歯切れの良いスカ・ナンバー。いつ頃・どんな状況下で生まれて来た曲なのですか?
HISASHI:「HEROES」(※3)のレコーディング中にGLAY内で"夏っぽい曲"のコンペティションがあったので、既存曲としてあったこの曲、仮タイトル「HISA-SKA」をプリプロ、レコーディングしました。
雰囲気的にオレンジ・カウンティ(※4)で鳴っているようなカラッとしたスカパンクをイメージしました。The Offspring(※5)の「what happened to you」のような脱力感+宮藤官九郎(※6)脚本のドラマ『ごめんね青春!』(※7)をミックスして出来上がりました。
テーマは"曲で遊ぼう!"。言葉の遊びも音も全て弾ける夏のせい、みたいな揮発性ドライ感、アサヒスーパードライ感、福山雅治さんのワイシャツの上にライダースドライ感とか出せたら夏曲克服!出来るかな? と思ってね。
まずは、仮歌詞からスタメン入りのFPM(Fantastic Plastic Machine)(※8)田中さんの起用ですね。もうそこはどうしてもFPMじゃないといけなかったんですね。DMMでもNHKでもKKKでもなくFPMなんです! もう、ガチ勢というかFIXでプリントアウトして思ったのが、"田中さん、なんか音入れてくれないかな・・"と、急にFPMサウンド無しでは語れなくなってしまいました。
即オファーからの田中さんエクストリーム快諾で、もう勢いしか無いよね〜♪ なんてあの頃は浮かれていましたね。世界の田中さん!ありがとうございました♪
そして浜田麻里(※9)さんの「Return to myself」からのMIKU STOMP(※10)の発音! 昭和から最近の機材まで色々遊び要素を加えました。スキトキメキトキスは「さすがの猿飛」(※11)のOP「恋の呪文はスキトキメキトキス」ですからね、ほとんどビョーキ!!
――ドラマーとして、ねごと(※12)の澤村小夜子さんがゲスト参加されていますね。以前から注目なさっていて、ライブにも行かれていたと記憶しています。小夜子さんを招いた理由と経緯、実際にプレイしてもらってどうだったか?など、コラボレーションの詳細をお聞かせください。
HISASHI:最近のガールズ・バンドは凄い! 上手い! 「ねごと」はNAVERまとめで新しいバンドを探してた時に動画で観たんだけど、とにかく良かった。良い曲の世界観と、メンバーの個性も際立っていて、ファンになりました。特に澤村小夜子さんのドラムがエモーショナルでカッコ良い! これはすぐにLIVEに行かないと♪ と思い、観せて頂いたのが始まりです。それからTwitterでお互い情報を共有するようになり、六本木EX THEATER(※13)で観た時の、ライブバンドへ成長した彼女たちの演奏を聴いて、「一緒に出来ないだろうか?」と思いました。とにかく良かったです(ちなみに偶然隣に座っていたのが、プロデューサー亀田さん!(※14))。ツアー前のリハーサル中にも関わらず快諾して頂き、ありがたく思っています。
レコーディング中はとにかくGLAY畑に花が咲きました♪ リズムのバリエーションはもちろんですが、曲の歌詞まで理解した上でのフレーズも活かしてくれました。安定したリズムから高速フィルまで、非常に格好良いテイクが録れて満足です。
――歌詞は、HISASHIさんのリアルな青春の心象風景を織り交ぜて綴られているのでは?と感じ、その点で、「MUSIC LIFE」(※15)にも通じるように思いました。懐かしいフレーズがいくつかオマージュ的に忍び込んでいるのも楽しいですが、20周年イヤーが終盤に向かう"今"というタイミングと、ご自身の音楽活動のスタート地点を振り返ること……それらがリンクしている部分もあるのでしょうか?
HISASHI:自分の曲でいうと「1988」(※16)から「黒く塗れ!」(※17)まで割と鋭角な表現が多かったと思います。「Synchronicity」(※18)や「everKrack」(※19)のような厨二ソング(※20)もありましたけど、今回は夏の瞬間的キラメキを意識しましたね。今思うと全てが刺激的に見えた日々、学校とバンドと友達と恋愛に必死だった頃を切り取るような内容にしました。
――ご多忙にも関わらず、ライブに足を運ばれたり、深夜(早朝??)に及ぶギタリスト会に参加されたり、『ニコニコ超会議』(※21)への出張企画『超RX-72 ~HISASHI:(GLAY) VS 茂木淳一 ~(※22)』を敢行されたりと、実にアクティブなHISASHIさん。好奇心旺盛というだけでなく、『TAKURO MOBILE MEETING(※23)』でTAKUROさんが指摘されていたように、"GLAYイチの社交家"として、使命感のようなものもあるのでしょうか?
HISASHI:RX-72に関しては、今回の歌詞にありましたが"溢れ出る興味に惹かれ"という言葉に全てが集約されています。音楽から始まり様々な日本文化、今世界的に発信されていることの最先端に触れ二人で面白可笑しく広げていくというスタイル、やっぱり基本楽しくないと続かないですからね。分かり易く楽しい30分になれば良いな〜? と思い続けています。最近BUZZっているネタもRXのフィルターを通すと若干和らいだり、意外と簡単に見えたりとか。突発的なスタジオでのレコーディングやXスポーツに挑戦したり、大阪ロケなんかの回もスタッフと談笑しながら決まっていきます。派生するDVD発売イベントや番組本(※24)なども積極的にデザインから考えています。今回『ニコニコ超会議』に出たこともスタンスは近いですね。ただ僕は非常に内向的な性格なので、必死に他者とのコミュニケーションを取ろうとしている様が社交的に見えたのでしょうか?? だとしたら誤解ですね。なるべくだったら適温に設定された自室で延々インターネットに興じたい次第で御座います。
――再び、5月30日・31日の東京ドーム公演にテーマを戻します。2月の取材時には、"白いジャケットの扱い"に特化した演出案・意気込み(※25)を語ってくださいましたが(笑)、公演日が間近に迫った現在、ロックバンドとして、また、エンターテインメントの創造主として、どんなステージにしたいとお考えですか?
HISASHI:この10年で色々な事が変わりました。お客さん達の音楽への関わり方やテクノロジーの進化。CPUや半導体の進化により、より速くより小さく大量の情報を!というクラウド化社会。そこにある真価はやはり、リアルなライブなんですよね。去年のEXPO発表の時も言いましたが、その「変わらないGLAY」を今のスタイルでお届けすることが第一ですね。勿論丁寧に引いた伏線の回収やシリーズ物の扱いは大切に作っております。とはいえ結局GLAYの持つパフォーマンスをしっかり演ることが全ての根底にありますね。この10年で培ったものを精査し、ソリッドなコンサートになると思います。
――HISASHIさんはよく「5分後のスケジュールしか知らない」と冗談をおっしゃいますが……ファンの皆さんに向けて、"7 BIG SURPRISES"(※26)コンプリート後の"未来のヒント"をもし示していただけるのであれば、お願いします。
HISASHI:お待たせしました、ようやくトランプのカードを切る時がきました! 詳細決まり次第お伝えします♪ お楽しみに!
※1:5月25日
1994年のこの日GLAYはデビュー。今年はこのインタビューのメインの話題でもあるシングル「HEROES/微熱(A)girlサマー/つづれ織り~so far and yet so close~」がリリースされる他、ZEPP TOKYOにて東京ドーム公演の前夜祭ライブが開催される
※2:微熱(A)girlサマー
5月25日発売のニューシングル「HEROES/微熱(A)girlサマー/つづれ織り~so far and yet so close~」に収録。
最新情報はこちら(試聴もスタート)
※3:HEROES
5月25日発売のニューシングル「HEROES/微熱(A)girlサマー/つづれ織り~so far and yet so close~」に収録されているTERU作詞・作曲のナンバー。前シングル「疾走れ!ミライ」につづいてテレビ東京系アニメ「ダイヤのA」(毎週月曜18:00~他)のオープニングテーマとしてオンエア中。
試聴はこちらから
※4:オレンジ・カウンティ(オレンジ郡)
アメリカ合衆国カリフォルニア州南部の郡。ディズニーランドがあることで有名な観光地。
※5:The Offspring
1984年に結成された、アメリカ合衆国カリフォルニア州オレンジ郡出身のパンクロックバンド。HISASHIのフェイバリットバンドの一つ。2005年のインテックス大阪ライブで「HIT THAT」をカバー、また「THE MEANING OF LIFE」のカバーが40th Single「SAY YOUR DREAM」に収録されている。
※6:宮藤官九郎
大ヒットドラマ「あまちゃん」を手がけた脚本家。劇団大人計画所属。俳優としても活躍しておりGLAYが主題歌(「鼓動」)を務めた「大帝の剣」にも出演。綾小路翔(氣志團)主演のミュージカル「高校中パニック!小激突!!」では脚本と演出を担当。観劇したHISASHIもいたく感激していた模様。
※7:「ごめんね青春!」
2014年10月から12月にかけてTBS系日曜21時の枠で放送された宮藤官九郎氏脚本、錦戸亮氏主演のテレビドラマ。宮藤氏初の学園もので細かいネタが多用されているのが特徴。視聴率的には振るわなかったが、「第83回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」脚本賞と助演女優賞(満島ひかり)、2014年「ギャラクシー賞テレビ部門12月度月間賞」を受賞するなど作品そのものの評価は高く、そもそもこの枠は「半沢直樹」「ルーズベルトゲーム」など企業ドラマが続いていたので放送時間帯が違ったのでは?という声も多い。
※8:FPM(Fantastic Plastic Machine)
音楽プロデューサー、リミキサー、DJとして活動する田中知之のソロプロジェクト。FPMが正式名称。
田中氏目線の参加の経緯は自身がFPMのFacebookにて語られている(4月24日)。
※9:浜田麻里
1983年にデビューした女性ロックヴォーカリスト。ジャンルはハードロック。このジャンルでは異例の売れ行きを示していた。代表曲は「Heart and Soul」「Return to Myself 〜しない、しない、ナツ。」など。
※10:MIKU STOMP
ギターを弾くとその音に合わせて初音ミクが歌うというKORGが開発したエフェクター。巷ではHISASHIのために開発されたのでは?という噂も?
※11:さすがの猿飛
1982年10月17日から1984年3月11日まで全69話が放送されたTVアニメ(原作は細野不二彦。増刊少年サンデー連載)。学園忍者アクションラブコメディという不可思議なジャンルで、一部ではカルト的な人気を誇っている。
※12:ねごと
2010年にメジャーデビューした4ピースガールズバンド。ドラムの澤村小夜子はオリジナルメンバーの一人。3rdアルバム「VISION」が2015年3月4日にリリースされた。
※13:六本木EX THEATER
テレビ朝日が運営する六本木にあるライブハウス。GLAYは2013年12月2日にこけら落としライブシリーズの第2弾アーティストとして出演、2014年11月4日にはアルバム『MUSIC LIFE』の試聴会を開催している
※14:プロデューサー亀田さん:
日本のミュージシャン、音楽プロデューサー、ベーシスト。バンド・東京事変の元メンバー。数多くのミュージシャン/アーティストのプロデュース、編曲、楽曲提供を手がけている。GLAYは2006年の夢人島FESでプロデュースをオファー、2013年7月24日発売の「DARK RIVER」で実現した。最新シングルも亀田氏プロデュースである。
※15:13thアルバム「MUSIC LIFE」
2014年11月5日発売
好評発売中
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※16:1988
『THE GREAT VACATION VOL.2 ~SUPER BEST OF GLAY~』収録
2009年10月21日発売
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※17:黒く塗れ
50th Single「BLEEZE ~G4・III~」収録
2014年7月9日発売
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※18:Synchronicity
『THE GREAT VACATION VOL.1 ~SUPER BEST OF GLAY~』収録
2009年6月10日発売
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※19:everKrack
『G4・II -THE RED MOON-』収録
2010年10月5日発売
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※20:厨ニ
「中学2年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動」を自虐する語として伊集院光氏がラジオで提唱していた「中二病」という用語が転じて、思春期にありがちな自己愛に満ちた空想や嗜好などを揶揄した言葉として「厨」の字を当てられネットスラング化したもの。
※21:ニコニコ超会議
ニコニコ動画関連新機能等の発表会を含めたニコニコユーザー向け総合イベント。2015年のニコニコ超会議は15万人を動員
※22:「RX-72 ~HISASHI(GLAY) VS 茂木淳一」
MUSIC ON! TVでオンエアしているHISASHIのレギュラーTV番組。2009年1月25日より放送開始。現在の放送時間は毎月第3月曜 23:30~24:00(初回放送)他
番組WEB SITEはこちら
※23:TAKURO MOBILE MEETING
公式携帯サイトGLAY MOBILEで配信しているTAKUROレギュラーWEB RADIO。毎週日曜18時更新。
詳しくははこちら
詳しくはコチラ
※24:番組本
番組での発言や、取り上げたモノを百科事典方式で解説した書籍が7月2日に発売!
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「アール・エックス 72 百科事典」(通常版)
■発売日:2015年7月2日(木)
■価格:¥3,000(税込み)+送料
■仕様:A5変形判(DVDと同サイズ)、256ページ、並製
*仕様は変更になる場合がございます。予めご了承ください。
■発行・発売:エムオン・エンタテインメント
*ソフビフィギュア付の「完全受注生産限定版」の受付は終了しました
※25:"白いジャケットの扱い"に特化した演出案・意気込み
前回のHISASHI WEBインタビューを参照
※26:7 BIG SURPRISES
2012年7月に開催された「GLAY STADIUM LIVE 2012 THE SUITE ROOM in OSAKA NAGAI STADIUM」2日目に発表された12年7月以降のGLAYの活動予定一覧。
2015年5月30日(土)&31日(日)東京ドーム公演開催でコンプリートとなる。